三省製薬では、130種類以上の独自の美容成分を開発しています。
美容成分ラボでは、美容成分の効果やメカニズム、商品企画のヒントなどをわかりやすくご紹介します。

2023.3.2

  • 美白

ノーベル賞受賞の“オートファジー”を活性化する
これまでなかったオウレンの“ユニークな美白の働き”とは

現在、美白化粧品などに使われている美白成分には様々な種類があります。
そんな中、長年美白成分の開発に携わってきた三省製薬は、大隅教授が2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞した「オートファジーの仕組み」に着目しました。
オートファジーとは、細胞が自己成分を分解する機能のことです。
この働きを美白に活用できないかと研究を行う中で、オウレンに出会いました。

生薬として知られるオウレンに、さらに意外な働きが

オウレンはキンポウゲ科の多年草で、古くから消炎、止血、瀉下などの薬として用いられてきた生薬です。日本固有種のキクバオウレンや、中国のシナオウレンなどの種類があります。
オウレンの根茎に含まれるベルベリンというアルカロイドは、蠕動(ぜんどう)運動を抑える作用があることから医薬品にも用いられています。

近年では、ベルべリンにオートファジーを活性化させる作用があることが報告されています。*
三省製薬はこの働きに注目して、『オウレンエキス』を開発。従来の美白成分の中でも特にユニークな働きを持つ、新しい成分が完成しました。
*:Br J Pharmacol. 175(2)、2018

オートファジーは“細胞のリサイクル業者”

オートファジーとは「自食作用」とも呼ばれる細胞の働きのひとつ。細胞内の老廃物や有害物質などを分解してその素材を再利用する、細胞の機能維持に欠かせない作用です。
例えば、日常生活の中で私たちは不要になったペットボトルをリサイクルゴミとして回収し、粉砕などの加工で材料の状態に戻して、そこから再び新しいペットボトルを再生します。オートファジーは、まさにこのようなリサイクルを細胞単位で行っており、体内のほとんどの細胞で起きているといわれています。

オートファジーの働き

 

オートファジーが分解するのは、老廃物や有害物質だけではなく正常な細胞小器官も対象になりますが、特に侵入してきた細菌などは選択的に分解されているようです。
そしてこのオートファジーに、シミの原因となるメラニンを貯蔵するメラノソームの回収分解を行う働きがあることが報告されています。

しかし、オートファジーの働きは加齢とともに低下するともいわれています。
三省製薬の『オウレンエキス』はオートファジーを活性化し、シミ対策に力を発揮します。

『オウレンエキスで』でシミの原因をなかったことに!

『オウレンエキス』は、従来の美白成分の“メラニンを作らせない” “メラニンを淡色化” などの働きとは異なり、オートファジーを活性化することでできてしまったメラノソームを回収・分解して「なかったこと」にする働きが期待できます。
まずオートファジーが活性化すると蛍光が増大する試薬を使い、オウレンエキスによって細胞の中でオートファジーが活性化されているのか試験しました。

その結果、オウレンエキスを添加した細胞は強く緑色に光っており、オートファジーを活性化させていることが確認できました。
次にオートファジーが活性化したことにより、メラノソームが分解されるかを確認したところ、オウレンエキスを添加したものはメラノソーム量の減少を確認できました。

また、ヒト試験では、『オウレンエキス』に紫外線で誘導した色素沈着の抑制作用および改善作用があることがわかっています。

オートファジー活性化というユニークな作用で美白効果を発揮するため、従来の美白成分と組み合わせるなど様々な活用ができます。

『オウレンエキス』は、こんな商品で実感できる!

三省製薬の『オウレンエキス』は、できてしまったメラノソームをなかったことにする、オートファジー活性化による美白効果が期待できる成分です。このユニークな働きを活かし、これまでになかった新しい美白アイテム開発にぜひ活用してください。

※美白の効果を謳う場合は、既存の美白成分との組み合わせが必要です。

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