2021.10.6
サステナブル社会のために自然の恵みを無駄なく活用する
三省製薬ではサステナブルな社会のために、あらゆるものの生産時に生じる不要な部分をただ捨てるのではなく有効活用する道を切り拓くことが重要だと考え、どのように活用していけるか日々研究を重ねています。
先日ご紹介した『竹幹表皮エキス』『長崎ツバキ種子エキス』は、既存の廃棄物などから美容成分への有効活用に活路を見出した一例ですが、今回は、また違ったアプローチでサステナブルに貢献できる美容成分をご紹介いたします。
弊社では、ローズマリーを原料とした美容成分『セラムバイタル』を取り扱っていますが、製造過程でどうしても廃棄となる部分(抽出残渣・廃液)が出てしまうという課題がありました。
「自分たちが出す廃棄物も有効活用して減らしたい。」その想いで研究し、生まれたのが『ローズマリーエキスホワイト』です。そして今もなお、美容成分以外の有効活用への道を探るべく、視野を広げて研究・開発に臨んでいます。
私たち三省製薬が開発した『セラムバイタル』は高い抗シワ効果があり、大変ご好評いただいている成分です。
しかしセラムバイタルパウダーは、原料のローズマリーからわずか0.1%しか抽出できません。
残り99.9%の抽出残渣・廃液の部分は使わずに廃棄ということになってしまいます。もったいないですよね。
はい。廃棄しているものをどうにかして活用できないかと研究して生まれたのが『ローズマリーエキスホワイト』なんです。これまで廃棄していた抽出廃液の一部を有効活用することに成功しました。
きっかけは、単純に「もったいないな」という気持ちからでした。何とか活用できないかと思い、それまで廃棄されていた抽出廃液を調べてみると、ポリフェノールが多く含まれており、高いメラニン生成抑制作用があることがわかったんです。
そして、『セラムバイタル』とは異なる作用を持った『ローズマリーエキスホワイト』が生まれ、ローズマリーもより活用できるようになりました。
その通りです。何も考えずにただ廃棄を続けているだけでは、『ローズマリーエキスホワイト』は生まれませんでした。抽出残渣・廃液には、まだ私たちが知らない可能性が秘められており、活用できる方法が残されていると考えています。
残念なことに『ローズマリーエキスホワイト』ができても、まだ抽出残渣・廃液はなくなりません。さらなる副産物の可能性を発見するため、三省製薬では様々な活用方法を探っています。
先ほどお話ししたように、『セラムバイタル』と『ローズマリーエキスホワイト』のおかげで減らせるようになったとはいえローズマリーの抽出残渣はまだ年間240kgも出ています。「こちらももっとなんとか活用したい!」という想いで試行錯誤を繰り返しています。
もともとローズマリーは植物ですから、葉は肥料などにして土に戻す方法を最初は考えました。しかし、成分抽出の際に溶媒を使っているため、そのまま土に戻すことは簡単ではなく、同様の理由で飼料などへの活用も難しいという結論になりました。
いろいろと調べてみて、「段ボールにしてはどうだろうか」というアイデアが出てきました。笹の葉などの残渣を紙の原料に配合し、段ボールに使用するという事例があり、それならローズマリーもできないだろうかと試算を試みました。もし実現すれば、お客様への輸送箱として再利用できますしね。
残念ながら配合する量の問題があり、うまくいきませんでした。しかし、段ボールは難しかったのですが、緩衝材など紙として活用する道は残されているかもしれません。どうにかして活用できるよう、今も様々なことにチャレンジしています。
残渣の活用は、成分開発などとは異なり、直接会社の利益になることではありませんが、持続可能な社会のために「より環境にやさしい素材を使う」という取り組みは、会社としてこれからも行っていきます。
もちろんです。ローズマリーの生産頻度が安定しているため一例として挙げさせていただきましたが、他の成分から出る廃棄物についても活用できないかなぁと常に考えています。
理想は生産から廃棄まで、私たち三省製薬がしっかりと管理して、資源を循環させることですね。地産地消というわけではないですが、素材の調達等もできるだけ近くで行った方が、輸送の手間もコストも削減でき、地球環境にもやさしい成分づくりができると考えています。
これからもサステナブルな社会のために、残渣等の有効活用についても絶えず研究を行ってまいります。それが、新成分の開発につながるのか、それともまったく別のものにつながるのかはわかりませんが、これからの三省製薬にぜひご注目いただければと思います。
三省製薬株式会社
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